第1章

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高校を無事退職し、家ですることもなくテレビを見ている。 つい癖で6時に目が覚めてから、学校に行かなければ一日が長い。 高村くんと家に挨拶に行って父母を安心させることはできたけど… 学校を退職後のことは何も決まってない。 忙しい高村くんは一度来てくれたけど、一晩泊まると次の日は仕事で慌ただしく帰ってしまった。 結婚のこともまだ何一つ決まってないし、これからの私の身の振り方も決まってない。 ホントに結婚できるのか? 一緒に暮らして子供を二人で育てていけるのか モヤモヤが心の隅にいつもあるけれど 忙しい彼に言い出すことができなかった。 「はーっ」 ため息を1つついて顔を横に向けてテーブルに伏せると 頬を何かが伝った。 えっ? 思わず拭うと手の甲が濡れていて驚いた。 悲しいと思っていた訳じゃない 高村くんとは心が通じている。彼が私を思ってくれているのは疑う余地はないのに… 私は悲しいのかな 手を眺めていると、突然メール音が響いた。
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