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開いてみるとそこには愛しい人の名前
『何してるの?』
撮影の合間にメールをしているのか、短い文章。
「テレビ見てる。」
『こっちに引っ越してこない?』
え、え?
引っ越しって?
一緒に暮らせるの?
「高村くんの家?」
『もう高校も退職したし、そこにいる理由はないだろ?』
「うん、そうだけど。私がそっちに行って邪魔にならない?」
『俺はもう大人だよ。彼女と暮らしたって問題はないよ。
夕貴が心配だし、子供のためにも早く一緒に暮らしたほうがいいだろ?』
自分でも分かるくらい頬が緩み口角が上がっていく。
そうだ、もう昔とは違う。一緒にいられるんだ。
「行きたい。私も高村くんと暮らしたい。」
『ご両親に了解を取りたいけど、仕事が詰まってて行けそうにないんだ。
夕貴に一日も早く会いたいのに…。
夕貴が足りない。俺の家に夕貴が来てくれたら、夜だけでも一緒にいられる。』
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