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一通り喋った。 「うおおおおおおおお・・・・」 伸隆は弱々しく叫んだ。そろそろ効いてきたか。伸隆のお茶には睡眠薬を混ぜておいた。香苗との約束通り、伸隆は殺さない。本音を言ってしまうと、約束を破りたい気持ちが強くある。だが、香苗の命を奪った事も考えれば、約束を反古にするのは香苗に対する冒涜だ。何より、妻もそれは望まないだろう。 「・・・こっ・・殺せ・・・殺せ・・・殺せ・・・俺を・・・・・殺して・・・くれ・・・」 「それは出来ないな。おまえのお母さんとの約束だ。しばらく寝ていろ。警察を呼んでやる」 母親を殺されたショックから伸隆が自殺しようとするのは防ぎたい。だから、睡眠薬をお茶に混ぜた。寝ている間に警察を呼ぶ。警察が来れば、しばらくは伸隆にとって簡単に自殺できる状況ではなくなる。その後は、まあ好きにしろ。 警察に連絡をいれた後はどうしようか。正直、捕まるつもりはない。が、もう生きる気力もない。歳が歳だ。私は2階の寝室を目指した。やるべき事はやった。ベッドに横たわる。よっこらしょ、と声を出しながら。妻が「ジジくさいから止めてよ」と言っている様な気がした。 了
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