第一章 I bet my life!

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焔が舌を這わす大破せし我が旗艦 累々たる屍(かばね)に顔(かんばせ)を輝かせ、 立つ姿は秀麗なり 「やべえ、こいつチーターだ!」 「タンクのフリして電子戦機かよ、ロックされた! 違う、アカウントごとロックされた!!」 「ブラックフィンガー。こいつ、チートプログラマーだ!!」  中田はリンチしようとした全員を、機能停止に追い込んだ。普通のプレイヤーのようにアイウェアと身体操作だけでなく、キーボードまで使う異様なプレイスタイルだった。  ブラックフィンガー。教材ソフトの脆弱性を付いて、チートプログラムを作り出す。  作ったチートプログラムを、闇で売りさばく。無限体力、無限に撃てる銃。  もちろん、ゲームのルールを壊すものだ。チートプログラムを憎むものたちからは、目の敵にされている。ゲームを壊し、作業にしてしまうと。 「ほら、こいつらにとどめさせや。男と男が出会ったら、どっちがエライかはっきりさせなあかん。どっちが強いか、わからせなあかんねや。なんや、武器とられて、全部ないんか。ひどいな。わしの貸たるわ」  中田が、田中の機体に銃をわたした。 田中が、震える手で銃を構えて、撃つが全然当たらない。     
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