第一章 I bet my life!

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   田中は、目を見開いた。呼吸が安定する。 Here comes a new player!  インタラクティブアイウェアに戦闘開始の文字が出る。スキルスロットには、あらかじめ選んだ一回だけ使えるスキルと、決められた時間間隔を開けて使えるアビリティがセットしてある。田中は、チートは使えない。この試合は、チートはお互いチートは使えないことになる。 countdown 5 4 3 「強行接敵開始」  田中は自分の心の音を聞いた。 「心拍数110を超えます。115以下におさえてください。自己防衛戦闘能力レベル最大。瞬間視能力。認知反応時間最適化。ゾーンイエローに入ります。stay sharp」  フォボスの合成音がガイドする。中田が作った戦闘生理学支援モジュールだ。  ゾーンイエローは、心拍数110から入る回避力、複雑な戦闘能力最大になる心拍数だ。 start 「アビリティGoodday to die」  戦場となった廃材置き場。大破した機体に、白黒反転したデザインの双子が立っていた。  現実と重ね合わされたインタラクティブの世界にだけ存在する双子だ。 「あーあ、田中のバカ来ちゃった」     
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