第一章 I bet my life!

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「田中が来たぞ! 落とせ! 落とせ!」 両手にナイフしかもたない田中が華麗なステップで男子たちの間をすり抜け魔王の城へ。 田中の機体は、素組。色とりどりの塗装やオプションパーツをゴツゴツつけた機体の中で、初期設定のみ。塗装すらしていない。 「バカの一つ覚えの強行接敵(バレバレで強引に近づいてくること)」 「銃を持たないナイファーなんて僕達の敵じゃないね」 魔王の城の前に双子が立ちはだかる。白黒反転したデザインの双子だ。 弾幕射撃。ロケット斉射。 「チートコード無限弾幕」 「チートコード自己被弾キャンセル」 チートとはズルのこと。禁止された行為だ。双子はルール違反のチートプログラムを使っていた。公式戦では違反だ。ここは学校の校庭なんでもありだ。 「いくぞ チート兄弟! アビリティ絶対回避」 田中がジタバタして、弾をよける。 「それがどうした?」 「それがなに?」 田中の機体が双子の頭上をムーンサルトでとびこえる。振り返る双子のロボに背後から襲いかかろうとした。けだるげな仕草で、双子のロボが互いの胸に銃口を突きつけた。 双子のロボがお互いを撃つ 「こいつらお互いの爆発反応装甲(リアクティブアーマー)を撃ちやがった」     
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