53人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
病院からの帰り道。
田中は、廃材置き場を通りがかった。入道雲がゴロゴロと夕日に喉を鳴らしている。
アスファルトの熱がスニーカーを通して伝わってくる。雨が近いのかもしれない。
「あれはチート双子? おい! なにをやっているんだ?」
双子が倒れていた。白黒反転したデザイン。いつも学校で絡んでくるいじめっ子の双子。
「中田と同じ? おい どうした?」
田中は双子のインタラクティブアイウェアをかけてみる。
continue? カウントダウンの数字は700をこしている
「何が起きてるんだ? フォボス起動」
田中は、自分のインタラクティブアイウェアと双子のをつないだ。
「戦闘生理学支援モジュール フォボス起動します」
田中のインタラクティブアイウェアに、女性型のロボが現れた。バトルの支援AIだ。
中田が田中のために組んでくれた忘れ形見だ。
「いったいなにがおきているんだ」
「違法AIを検知しました。接続を外すことをおすすめいたします」
「違法AI?」
女性AIが感情のない落ち着いた合成音声で伝えた。
「ゲームのプライズとして負けた場合は、操縦者の脳をアップロードを要求しています」
最初のコメントを投稿しよう!