第一章 I bet my life!

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 プライズは、ゲームの勝者が手にすることの出来るご褒美だ。  お互いにプライズを設定して、勝ったほうが全部もらう。掛けだ。  プライズが脳をアップロードすることなら、死を意味している。 中田も双子も、脳のアップロードを賭けて戦ったのか? 「ゲームに命を賭けろって? なんだってそんなことを?」 「AIは才能ある人物たちの情熱や執念により発明されました。ですがAIには情熱や野心 人類の発展の源である魂がないのです」  フォボスが感情のない言葉を続ける。 「人間の脳をアップロードすることは被験者に重大な損害を与えるために禁止されています」  田中は、理解するのでやっとだ。 「魂の創生を目的とした違法AIの危険な人体実験の可能性が高いです」 「魂の創生? 保健体育の時間で習ったけど赤ちゃん作れば魂できるんじゃ?」 「AIに子作りは不可能です」 「プライズはなんだ? 」 「プライズはこれまでにアップロードされた電脳のここで保管されてるモジュールと地図 特SSS級の素材です」  特SSS級の素材。中田と双子が、いかにも食い付きそうな代物だ。 景品リストに双子の表示が浮かんでいる。その上には中田の表示もある。 「中田が、俺のウイングがかえってくる?」     
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