屈辱

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そして、その大学病院の一室で1時間程の問診、俺は夏子に促されて操達家族の事をそのボサボサの白髪頭の教授に話した。その後、血液検査、MRI、脳波の検査の結果、俺に下された病名は『統合失調症』というものだった。 「私の病名が『統合失調症』ですか!? 今では悪い言い方かもしれないですが、昔で言うノイローゼっていう事ですか!? 私のもう一つの家族は私の妄想だと!? ふざけるな!…」 俺の剣幕に白水という医者は慌てて答えた。 「そういう意味ではありません。ただ、今日処方する薬をしばらく服用して頂いて様子を見て下さいという……」 俺は思い切り机を叩いて立ち上がった。 「帰るぞ!」 そのあと、その教授とやらと夏子のひそひそ話が始まった。 しかし、俺は耳を澄ませて全ての会話を聞き取った。 「とにかくお酒は控えて下さい。 軽い安定剤と眠剤を出しておきますから、なるべく忘れずに服用して下さい。 そしてアルコールとの相性は非常に悪いですからアルコールとの併用は絶対に避けて下さい。 しばらくすれば変な夢も見ずにグッスリお休みになれるはずですから」 「変な夢だと!? あんた何様だよ!?ヤブ医者が!俺をキチガイと勘違いしてんじゃねぇのか!?」 「あなた!やめて!白水先生、すみません!」 「いや、構いませんよ。ただ、しばらく慎重に見守った方が良さそうですね…」 俺に聞こえないように小声で話している事にも更に腹が立った。 .
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