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帰りの電車のホームで夏子が言った。
「あなた、今はこんな病気珍しくないのよ。先生の言う通りにしてればすぐ良くなるわ。
操さんとかいう女の人もすぐ出て来なくなるわよ……」
(!? 操がいなくなる!?)
俺は自分の意思とは関係無く、咄嗟に無言で夏子の頬を平手で叩いていた。
俺が女に手を上げたのはこれが最初で最後だった。
横倒しになった夏子を見て周囲は騒然としたが、
俺は夏子を無理矢理起こしてホームの待合所まで連れて行くと、一人で駅を出て近くの寿司屋に入って浴びるほど熱燗を飲んだんだ。
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