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夏子はすがるように言った。
「あなた、お願いだから薬だけは飲んで頂戴！
私の言い方が気に入らなかったのなら謝ります……ただ、お願いですから薬だけは飲んで！
もう病院には行かなくても、私が薬をもらってきますから……」
俺は形だけ「分かったよ…」と返事をしたが、薬を飲む気など更々無かった。
夏子がもらってきた薬は一度も飲む事無く、全て机の引き出しに放り込んだ。
俺に下された診断が正しいのかどうかも分からなかったし、正直に言えば俺はそんな薬を飲んだ為に操達に逢えなくなるのが怖くて堪らなかったんだ。
俺にとって、操達は間違いなくもう一つの家族だった。
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