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6階の廊下で山下専務とすれ違った。
俺は右側の壁際に貼り付き深々と頭を下げた。
これだけの大会社、それも一部上場企業の取締り役とすれ違うだけ、ましてや面と向かって会話をする機会を得るなんて事自体が奇跡的な事だった。
ただ俺には『それ』があったし、それを無駄にしないだけのスキルも持っていた。
『おお、水沢君だよな!噂は聞いてるよ。出来る男らしいねぇ)
役員会でも君の名は出てるよ。我社始まって以来の40代の部長誕生かな?ってね。頑張れよ!』
『はい!ありがとうございます!精進します!』
俺は膝に顔が付くくらいに頭を下げた。
専務の山下さん、現部長の長谷部さん。
そのルートから外れる訳にはいかない。
俺がトップまで辿り着く為には絶対に必要な人脈だ。
俺は誰のケツの穴を舐めてでも上り詰めてやる!
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