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10月に入り、すっかり秋になった。
黒崎さんはあの日からも変わらず、書店に来店してくれている。
これまでと違うのは、私に気付くと来客対応をしている時以外は、必ず声をかけてくれるようになったことと、明らかに会話の頻度も時間も長くなっていること。
それなのに、私は黒崎さんの姿を見つけてはこっそり眺め、目が合えば心臓が飛び跳ね、近寄ってくる黒崎さんを茫然と見つめるしかできない。
ドキドキと高鳴る心臓は止まることを知らず、話し終わる頃には息切れすらしそうになる。
黒崎さんの態度は少し変化したのに、私自身は何の進歩もしていない状態が続いていた。
そんな私は今、自室で携帯を目の前に固まっている。
黒崎さんから久しぶりにメールがあったからだ。
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