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1日の勤務を終えて、制服のエプロンをロッカーに仕舞い、店長さんに挨拶をする。
夜となった今も蒸し暑いだろうな、なんて思いながら自動ドアを抜けると、目の前には分厚い雨のカーテンが下りていた。
「凄い雨。傘持ってないのに」
駅までは近いけど、走っていくには激しい雨だった。
「待つしかないかな」
溜息を零して、ぼんやり雨を眺めていると、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「藤原さん?」
「はい、何で」
黒崎さん!? のんびり返事してる場合じゃない!
今日も今日とて、見目麗しい黒崎さん。
暑い季節でもスーツをシャキッと着こなし、それでも涼しげな雰囲気を持っている。
「どうしたの?」
「私ですか!?」
「他に誰がいるの?」
黒崎さんはそう言ってクスクスと笑う。
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