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その時、僕はようやく理解する。ジョニーは、屋根裏を探検していたのではなかった。
屋根裏に潜んでいた恵と遊んでいたのだ。
翌日、僕は朝食を食べていた。
二匹の猫は、隣の部屋にいる。恵と一緒に、仲良く遊んでいるらしい。
ジョニーとヴァネッサは、恵の同居をあっさりと受け入れているようだ。どう考えても、まともな人間ではないはずの恵を。
もっとも、二匹はだいぶ前から恵の存在を知っていたのだろうが……。
時間になり、僕はいつも通り出勤するため扉を開ける。
「行ってらしっしゃい」
恵の声がした。振り返ると、彼女はニコニコしながら僕を見ている。
こうなった以上、もはや諦めるしかないのだ。今の恵が、何者なのかは分からない。だが、殺した後にバラバラに解体したにもかかわらず、こうして僕の前に出てきている。
今の僕には、何も出来ない。恵から逃れる方法はないのだ。
「ちょっと待って」
恵は、立ち止まっている僕にスッと近寄って来た。
「こらこら、ご飯粒ついてるぞ。もう、しょうがないんだからあ」
言いながら、僕の頬に唇をつける。
端から見れば、僕たちはバカップルに見えるのだろうか。それとも若き新婚さんだろうか。
いずれにしても、恵の強すぎる癖の前に、僕は為す術なく屈したのである。
これから永遠に、恵と同居していくしかないのだ。
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