2章

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今回収穫はたくさんあったから、次回のプレゼンまでにやるべきことを考える。 予算の組み立て、澪とのデザインの修正、マーケット層の再リサーチなどやるべきことがたくさんだ。 残業確定だなと思っていたら、成瀬先輩から意外な一言がかけられた 「若宮、飲みにいくぞ」 「えっ?」 「いかないのか?」 残業も気になるが、初めての成瀬先輩のお誘いにうれしくなって、 「お供させていただきます」といったら、 「なんだよそれ」と笑われた。 初夏の風が涼しく、落ち込んだ気分を癒してくれた。 成瀬先輩に案内されたお店は、博多駅近くのBARだった。 こんなところにBARがあるなんて知らなかった。 シックなレンガ作りで、小さな看板だけがあるひっそりとたたずんだ隠れ家的な作りだった。 中に入ると間接照明の落ち着いた雰囲気でカウンターとテーブル席が4つの小さな作りのお店だった。クラシカルなジャズが流れていて、落ち着いて飲める印象のBARだった。 「おや?、成瀬君、こんばんわ」 初老のマスターが出迎えてくれた。 「成瀬君が、女性を連れてくるなんて初めてだね」と茶化したマスター きっとなじみのお店なんだろう。 「そうだったけ?」と成瀬先輩は言葉を濁す 「お嬢さん、名前は?」 「若宮 ひな です」 「若宮さんね、成瀬くんにこんな可愛いいいひとがいたなんて知らなかったよ」 といわれて、少し照れて恥ずかしくなった。 「成瀬くん、一人で飲みにくるからてっきり、恋人がいないっとおもっていたんだけど、こんな可愛い人がいるなら、紹介してくれてもいいのに」 とマスターがいったら 「マスター、こいつは特別なの」っと成瀬先輩はいった。 特別ってどんな意味?いい意味・悪い意味?と私の中でぐるぐると疑問が渦巻いた。 「どういう意味ですか?」と勇気をだして聞いてみたら 成瀬先輩はニヤっとわらって 「自分で考えろ」と答えた。 せっかくの夜だ、特別な夜なんだと思い、いい意味にとることにした。
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