1章

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時刻はちょうどランチタイム。心地よい天気だし、会社近くのカフェテラスでランチをとることにした。 そこで 「ひな!」 と呼び止められた。振り返ると同期の香坂澪(こうさかみお)がいた。 「一緒にランチしない?」 と誘われて喜んで同意した。 澪は誰もが振り返るストレートヘアーの美人。サバサバした性格で、やや内気な性格の私とは対照的でウマがあった。 唯一気になるところはなかなか恋人を作らない、私も心配してくれて合コンまで開いてくれること。これだけは、ちょっと尻すぼみになってしまう。 いつも、乗る気になれずすぐに帰ってしまう。 でも、めげずに声をかけて誘ってくれる澪が私は好きだ。 「ひな、営業先からの帰り?」 「そうなの、お腹すいちゃったからこの店に入ったんだ」   オフィスに近いし、昼時とあって店はにぎわっていた。 メニューをみたら、おいしそうなパンケーキに見入って迷わず注文したところで、澪からおもいがけない一言が発せられた。 「ひな聞いた?成瀬先輩が主任に昇格して戻ってくるらしいよ!」 社内の人事情報をなぜかしら手に入れてくる彼女。 その話を聞いた瞬間、私の頭は真っ白になった。
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