644人が本棚に入れています
本棚に追加
/308ページ
(……まぁ、疲れが溜まりすぎてあんな夢を見たのかもしれないけど)
再び中断していたデスクワークを再開しながら、私はふと、何故今更になってあんな昔の夢を見てしまったんだろうと考える。
だってあれは、私が高校生の時の苦~い思い出なわけで。もう16年も前の事だ。
当時若かった私には、心の底から大好きだった年上の幼馴染みがいた。
彼にずっと片思いしていた私は、一生分の勇気を振り絞って告白をして。
……OKが貰えた時は、天にも昇る気持ちだったっけ。
まぁその後すぐ、地獄に叩き落とされるんだけど。
(付き合ってる彼氏が私の知らない所で他の彼女作ってて、しかもその彼女と子供まで作って私が捨てられるって……昼ドラかっての……)
どうせなら、奴の頭を思いっきりぶん殴ってこっちから別れを切り出してやりたかったなぁ。
ま、そんなのもう今更の話だけども。
にしても、なーんであんな夢を見たんだろう。こんな何年も昔の夢を見るなんて初めてだ。
そう言えば最近、夢占いとやらにハマってる子がいるんだっけ。その子に見てもらったら面白そうだ。
ああでも、ここ最近忙しいし休みなんて取れないかもなぁ。お母さ……オーナーに頼んで連休でも貰おうかなぁ。
カチカチとキーボードを弾いていると、段々とまた意識がふわふわしてくる。
これはあいつだ、社会人最大の敵「睡魔」
いかんいかん、ここで寝たら本当に店長の面目丸つぶれだぞ。……元々そんな立派な店長じゃないけど。
ああでもまずい。本格的に眠くなってきた。
昨日も早く寝たのに。でもダメだ、今寝るわけには……
最初のコメントを投稿しよう!