Ⅶ 手紙

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(そうだ…アスランに俺は昨晩『最後だ』と言い放った。それでも言いたいことが有ると、母のお礼が言いたいとキャンドルと手紙を車掌にお願いして渡してくれたんだ…さよならと書いて…) 「すまない…」 「解れば良いです。咄嗟の判断とはいえ、大変申し訳ございませんでした。然るべき処分はアールトンに戻ってから受けます。先ずは身体を拭いて、着替えましょう」 「いや…処分はしない。むしろ冷静になれた。礼を言う」 「先ずはアールトンに戻ってしっかり仕事しましょう。ルズベリッジにはそれから戻ってもきっと遅くありません。お相手の方もきっとそう望まれているのではないでしょうか…このまま中途半端な気持ちでルズベリッジに戻っても逃げられますよ」 カイエンは荷物を開けタオルと着替えを取り出した。 『ベタベタするので、タオル濡らしてきます』とカイエンは席を離れた。 「俺は…気づかなかったとはいえなんて事を……すまない。…アスラン…」 エルドラは一人になった部屋でずっと俯き過去を振り返っては悔やみ続けた。握りしめたままの拳は爪の跡がつき、その上に時々水滴がポタリと落ち、拳を伝いテーブルに流れる。 列車はアールトンに向かい、二人の距離はどんどん離れていった。
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