Ⅱ 思い出

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本棚にある本を一緒に読んで色んな文字を教えて貰ったり、絵を書いたり、庭に出て植物を眺めたり、父と一緒に海に連れて行ってもらい、船員に釣りに教えてもらったりもした。 食卓には燭台にキャンドルの灯りが煌めき、1日あった事を話し、広いベッドに一緒に入って眠った。ベッドに入っても話は止まらず『いい加減お休みになってください!』とメイドが部屋のキャンドルを消しに来るまでずっと笑って話していた。 そんな日が6日続いた。 もう、最後の夜になってしまった。 明日の朝、エルドラ達はアールトンへ帰ってしまう。 夜は何だか落ち着かず今まであんなに笑っていたのに、お互い言葉少なめで、シーツが擦れる音が部屋に響いた。 「…アスラン…起きてる?」 エルドラはアスランにそっと話しかけた。 もぞもぞとシーツが動き、エルドラの方を向いた。 「うん…起きてる…眠れないの…」 「オレも。明日になるの嫌だな…」 アスランも同じ気持ちだった。もし、眠ってしまい起きたらエルドラがいなくなりそうで、寝たくないのだ。 「なぁ…外行かないか?1週間アスランといっぱい遊んだけど、夜の外は出た事ないだろ?まだやってない事あるから今からやろうぜ!」 「でも…夜は外に出ちゃいけないって…とおさまとかあさまが…」 夜の外は危ないから外に出ちゃいけませんってずっと父と母に言われていた。 「だから、ナイショ!オレとアスランの秘密!」     
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