Ⅱ 思い出

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エルドラは人差し指を唇に当てて「しーっ」と言った。 何だか楽しそうでアスランも目が完全に覚めてしまった。 (まだ一緒に遊べる!) アスランは「うん!」とベッドから飛び降りた。 「ああっ!アスラン!しーっ!」 エルドラは慌てて人差し指をアスランの唇に当てた。 二人で顔を見合わせてクスクスと笑った。 「真っ暗だからなぁ…ランタンとキャンドルが無いと出れないな…」 エルドラは『トイレに行くフリしてランタン貰ってくる』と行って部屋を一旦出て行った。 しばらくするとキャンドルが灯されているランタンを持ったエルドラが戻ってきた。 「おまたせ。アスラン、ここからは喋ったらダメだぞ!暗いから俺の服ずっと持ってろ!」 アスランはエルドラの服の裾をぎゅっと掴むと、エルドラは少しずつ外に向かって歩きだした。 そぉっと部屋のドアを開けて父や母、メイド達に見つからないように壁伝いに廊下を歩く。誰もいない暗い廊下はとても怖かったが、ぎゅっとエルドラの服を握っているからどこか安心していた。 階段を降りやっと玄関までやって来た。重いドアを開けて初めて夜の外に一歩踏み出した。 しばらく歩いてやっとエルドラが声を上げた。
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