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医師に診せ、薬を貰いやっと母は落ち着いたようで、静かな寝息をたて眠っている。
「もう少し遅かったら危なかった。今は薬で落ち着いているから安心しなさい」
医師は心配して落ち着かない様子のアスランを見て安心させる様に静かな声で言った。
「有難うございます…先程は取り乱したとはいえ…すみませんでした…」
「身内がああなれば仕方ない」
アスランは医師に頭を下げた。医師は職業柄こういう事はよくあるのだろう。余り気にしてない様子だった。
「今は薬で落ち着いているが、またいつ起こるかわからない…調子を崩されたのはいつから?」
「3年ぐらい前からです…一応薬は飲んでいたのですが…」
そう言っていつも飲んでいる薬の袋を医師に見せた。医師は薬の袋を見て顔を顰めた。
「これは…手に入りやすいが、効き目も少ない上に副作用がある。ずっと飲んでいると、副作用で余計身体を壊すぞ。これ以上飲ませない方がいい。さっき飲ませた薬なら良く効いてくれるのだが…」
アスランを見て医師は言葉に詰まった。
「高価…なんですか…?」
「1日分で銀貨1枚ぐらいだな」
1日分で銀貨1枚…今のアスランにとっては大金だ。しかし、母の命には変えられない。アスランは紳士から貰って大切にしていた銀貨を医師に全て渡した。
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