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次の日の朝には母の容態も安定した。
「アスラン…ごめんね…」
母の顔色も良く、アスランも安心した。ちゃんと薬が効いてくれたみたいだった。
「母さんが落ち着いて良かったよ。じゃあ行ってくるよ」
アスランは母に心配をかけないよう、笑顔で外に出かけた。仕事が終わり、アスランは公園のベンチに座り腕を組み、これからの事を考える。
(薬は数日分ある…1日分で銀貨1枚か…キャンドルを売り行っても薬代には全然足りない…夜も働くしかない…)
夜も働いてキャンドル売りより稼げるとなれば…男娼になる以外の選択肢がないかアスランは必死で考えたが…何度考えてもそれ以外の選択肢が見つからなかった。
(やりたくない…こんな事したくない…でも…でも…しないと母さんが…)
結局、母の命には変えられないという答えになった。
日が沈み暗くなり始めた頃、アスランは意を決して路地裏に向かった。
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