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「すみません…今日はキャンドルがないんです…」
「売り切れたのか?先週も買えなかったから欲しかったのだが…残念だ…まだ残っていたと思うが…他の日には用意できないか?」
アスランは俯いたまま何も言わなかった。
しばらくして重い口を開いた。
「いえ…最初から持ってきてません」
紳士の顔が険しくなった。
「どういう事だ?」
さっきまでの優しい口調が消え、低く冷たい声がアスランの耳を貫く。手足が震え、金縛りのように口が動かない。アスランは勇気を振り絞り紳士を真っ直ぐにみて言った。
「キャンドルではなく………僕を買って下さい!」
アスランの決断…
それは紳士に男娼として自分を買って貰う事だった。
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