336人が本棚に入れています
本棚に追加
/139ページ
「どういう意味だ?」
「言葉通りの意味です。僕を買って下さい!」
「理由は?」
「お金が必要なだけです!キャンドルを売るだけでは足りないから僕を買って下さい!」
「その理由を聞いてるんだ!何故急に金が必要になった?」
「言えません」
紳士の口調がどんどん早くなり、声が低くなる。機嫌が悪い時の話し方だ。相当怒っている…矢継ぎ早の質問にアスランも迷わず答えた。
紳士はアスランの前に仁王立ちになり、質問を続ける。
「もし、俺が買わないと言ったらどうするつもりだ?」
「買ってくれない時は………今すぐ娼館に行って貴方以外に買って貰うだけです…」
娼館に行くのは最終手段だ。初めて娼館に足を運んだ時の恐怖を思い出す。どちらにしろ紳士に買って貰えないなら、母の薬代の為にも男娼になるしかないのだから…
紳士に買われるか?初めて見る知らない人に買われるか?それだけの事だ…
(でも…初めてはこの人に…愛する人に…エルにあげたかった…他の人には抱かれたくない…だからこうするしかなかった…)
卑怯な方法だとは分かっている…恋人としてでは無くても…男娼と客としてでも…たった2週間でも…貴方と結ばれたい…
最初のコメントを投稿しよう!