Ⅵ 最後の夜

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「んんっ…ん、…はぁっ。」 薄く開いた口の中に舌を割り入れる。お互いに舌が絡まり、口付けが段々と深くなる。濡れた水音が部屋に響く。チュッとリップ音が鳴り、唇が離れる。 「んっ…どうした…?積極的じゃないか…?」 「今日で最後ですからね…最後ぐらい自分で誘ってもいいじゃないですか?買ってくれと頼んだのは僕なんですから…」 アスランはエルドラに跨り唇を重ねながら服を脱がそうとする。 「ーーんぁっ!もうっ…お願い!…抱いて!」 「煽るな……今日ぐらいは優しく抱いてやる…最後だからな」 アスランの目から涙が流れ、最後の夜は更けていった… ◆◆◆ 今日は隣に少年が眠っている。いつもは頑なに拒否するのに『少し眠ってから帰ります…』と言って風呂に入りベッドに横になった。エルドラは眠っている少年の栗色の髪の毛を軽く梳くように触れる。 「なんで俺はこんなにお前が気になるんだ…?俺はお前の事が好きなのかもしれないな…」 隣で寝る少年に声をかけても静かな寝息が聞こえるだけだ。 「また、仕事が落ち着いたら必ずルズベリッジに戻ってくる。戻って来たらまた会いたい…次会うときはこんな関係ではなく、笑顔のキャンドル売りのお前に会いたい…」     
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