Ⅶ 手紙

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◇◇◇ 列車が出発する30分前。 アスランは駅にいた。仕事をお願いして2時間だけ休ませて貰った。 手にはキャンドルが目一杯詰まった紙袋を持っている。アスランにはこれしか出来なかった。 最後にどうしても伝えたい事があった。その為にここへ来た。しかし、エルドラに会う事は出来ない。昨日の夜『最後』と言った以上会わない方がいい… アスランは目立たないようエルドラの姿を探した。すると一級車両に入っていくエルドラと秘書らしき人の姿を見つけた。 (やっぱり一級車両に乗るんだ…車両はわかった。後はこれをどうやって渡すかだ…) すると、預かった荷物を載せ終えて運転席に向かう車掌を見つけた。 (車掌なら各座席に切符の確認に行く筈だ…じゃあ車掌に預けよう!) アスランは車掌に向かって「すみません」と声をかけた。 「あの…僕…雑貨店の者なんですが…店主より一級車両に乗るお客様にお渡しする荷物を預かりました。お渡ししてもらえませんか?」 自分からの荷物ではなく、店主から預かったように話す。貧しいキャンドル売りから渡されたと分かるときっと渡してくれない。 「お客様のお名前は?」     
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