Ⅶ 手紙

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貴方が僕を買ってくれたおかげで、母の薬も買えて体調もかなり回復しました。母の命を助けてくれた恩人に何も言わずに別れてしまうのはどうしても出来ず、手紙を書く事にしました。 本当に有難うございました。 後… こんな形だったけど、また会えて嬉しかった。 僕の事はどうか忘れてください… 約束…果たせなくてごめんなさい… どうかお元気で…さようなら…】 手紙を読んでエルドラは手紙を握りしめた。 (何故、俺の名前を知っている。俺とアイツは以前にも会っている…?約束…?それにさよならだと…?どういう事だ…?) 今日までの出来事で、自分との間に何があったか必死に思い出そうとする。 『…友人がアールトンの生まれなんです。僕は行った事はないんですけど…』 『僕はよく船に乗ってました…』 『小さい頃はよく…船に乗って色んなところへ行くのが夢でした…アールトンにも船で行ってみたかった…』 (アールトンの友人に船で会いに行きたかったのか?…俺の小さい頃にも…) 『うん!いつかとおさまの船に乗って色んな国に行きたい!』 『じゃあ!大きくなって船に乗ってエルに会いに行く!』 『じゃあ、オレも大きくなったら父さんみたいな宝石商になってナギに必ず来る!』 『また、必ず会おうな。その時はこうやって星空を一緒に見よう』 『うん!約束だね!』 『約束だぞ!』 (………………まさかっ?………………)     
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