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ボロボロのジャージを着た老人が僕を心配そうに見ている。
「大丈夫か。親でも殺してきたみたいな顔しとるぞ」
酷い言われようだ。僕は憧れの女性を待っているだけなのに。
僕を心配し続ける老人はやたらにきさくに話しかけてくる。
「まあ、座れ。人生色々あるだろうが、誰にだって朝日は昇るんだ。ほれ」
老人は懐から缶を取り出すと、押し付けてきた。
ろくすっぽ冷えていない、缶チューハイ(レモン味)だ。
「ようやくありつけた昼メシだが、半分兄ちゃんにくれてやるよ」
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