1:出会い

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1:出会い

逸る気持ちを抑えて少しずつ歩き出す。あぁ、あと少しで俺は楽になれる。するとその時、 「ねぇ、おにーさん。」 女子高生が隣に、きた。何故…あと少しで邪魔が入るんだ。しかしそんな気持ちを出さずに返事をした。 「…それって俺のこと?」 「他に人いないじゃん。それともおにーさんには何か別のものが見える系の人なの??」 そう言ってケタケタ笑いだした。 その笑い方は今の俺にとって不快で、何も言い返さない。 もう時間も残り少ない。この娘には悪いが目の前で飛び出させてもらおう。 「悪いな。」 走ろうとした瞬間、何かが脚に引っかかり勢いよく転ぶ。暗くてよく見えないが、娘が何かしたんだということはわかった。 「何するんだ!」 「あの…さ。」 さっきと打って変わって真面目そうにその娘は言った。 「おにーさん、自殺はやめた方がいいよ。痛いし、遺族に借金めっちゃかかるし、死ににくいよ。」 は?と声にならない声が漏れた。 「ねぇ、おにーさん。死ぬ前に私がいいとこ連れてってあげる!だから着いてきて。」 娘はいつの間にか着いた電車に飛び乗り、早く早くと急かす。 俺は渋々乗ることにした。どうせ家に帰ると思えば別にどうってことない。 この娘の提案に乗ってみようと思った。
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