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「屋上か? それとも別の場所なのか?」
「――俺じゃねぇってんだろ!!」
ビリビリと鮫島くんの怒声が木霊する。彼は足を降ろし、その勢いのまま立ち上がって詰め寄った。
「なんだ」
「何が『悪いようには絶対にさせない』だ。適当なこと言いやがって。お前らもオカシイんじゃねぇか!? 人ひとりが死んでんだぞ! 普通は警察に任せるもんだろうが。素人だけで……こんな、こんな犯人探しみてぇな真似して、どうかしてるぜ」
鮫島くんの訴えも正しいとは思う。けれど皆、それを承知の上で話し合いをしているんだ。事故か自殺か、それとも他殺かを、早く結論付ける為に。おそらく彼が激昂しているのは、自分だけ安全圏じゃないからだろう。
それを証拠に、同意してくれる人も居なかった。嫌悪感を孕んだ舌打ちを鳴らし、鮫島くんは人差し指を先生へと向ける。
「言っとくがな、俺は屋上になんて入ったことすらねぇぞ。智田の奴とも話してねぇ」
「なら二時限目はどこに居たんだ。逆の立場だったら言葉だけで信じられるか? 疑いは、お前自身で晴らすしかないぞ。そうしないと味方にもなってやれない」
「ああ……ああ、そうかよっ、じゃあ言ってやる。俺は一人で校舎裏に居た。こいつを吸う為にな!」
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