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こうして学級担任は、核心へと迫る台詞を、とうとう口にした。
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三時限目のチャイムと共に、智田くんは身を投げた。しばらくして教師陣だけ集まるよう、校内放送が流れる。もちろん、生徒には外出を禁じて、各教員は自習を課した。室内に居ながら、残された者は食い入るように窓の外を見るしかない。取り乱すクラスメイトを落ち着かせるのに、僕は苦労した。
L字のように建てられた校舎は、教室棟と特別教室棟に分けられる。智田くんが落ちたのは特別棟だ。普通科の授業をしていた僕達の教室からは、ちょうど対角線上に位置する。
遠目からでは不格好に倒れた黒髪男子と、そこに血溜まりができていたことしか分からない。数分か十分足らずで救急車が到着し、教頭が連れ立って運ばれていく。金明先生が教室へと戻って来たのは、三時限目も終わろうという時間だった。
そして四時限目から始まった、臨時のロングホームルーム。その始業ベルを、僕達は静かに迎えた。
「……気分が悪くなったら、すぐ俺に言ってくれ」
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