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ご飯は自動にセットされているので、そう失敗は無いであろう。俺は、鍋を出すと、昆布と鰹節で出汁を取り、味噌汁を作る。その間に、厚焼き玉子と、ほうれん草のソテー、焼き魚を焼いておいた。それを更に盛り付け、洗い物を済ませると、家に走って帰り、糠床から漬物を持ってきて、切っておく。他に、志摩の煮物を持ってきてしまった。
「光二、チェンジしていいよ」
再び光二にチェンジすると、光二は料理を茶の間のような場所に運んでいた。そこには、氷渡がいて、新聞を読んでいた。
「あれ、光二、朝食を用意したのか」
二人きりというのでもなく、氷渡家の×がわらわらと出てきた。そして、キッチンから料理を持ってくる。
俺も大人数には慣れているので、大量に作っておいた。
「美味しい。味噌汁に漬物だけでもいい」
俺の家には、夜は人が来るが、朝は志摩と二人の時も多い。氷渡の家が賑やかだとは、知らなかった。
「ん?上月が起きているのか……」
氷渡が卵焼きで唸って、確認していた。
「分かるかな……守人が料理をしてくれた」
氷渡は、顔を引きつらせて、味噌汁が慣れている味だったと言い訳していた。でも、持って食べているのは卵焼きで、言い訳だとすぐに分かる。
「上月は、少し休ませないと、村では光が疲れていると心配されている」
「そうだね……」
光二を責めないで欲しい。俺が勝手に出て、料理をしただけだ。
しかし、光が疲れているというのは、どういう現象であろう。
「村の者は光に敏感になっているからな……少しでも変化があると、大騒ぎだよ」
光に変化をさせた覚えは無いが、今までは月明かりで本が読めたほどであったが、今は電気を必要とするらしい。俺は、リンクを弱めた覚えが無かったが、体力がないと自然に弱まってしまうらしい。
「守人は、守人様ですからね……あまり、無理はさせられませんね」
「そうだね……村の光は重要だからね」
俺も心配をかけないように、少し気をつけてみよう。
氷渡の居間は、茶の間と大広間からなっていた。茶の間には、古い食器棚なども置き、昭和初期の雰囲気を保っていた。そこに卓袱台なども置き、案外、不便を楽しんでいるようだ。大広間は、ただ吹き抜けの間で、外から人が入ってくる。そこには、毎回、テーブルを出し、宴会さながらに飯を食べていた。
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