日向と葵

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そんな葵にいつも負けている気がするのが悔しくて日向は焦らし続ける。白いシャツ越しにもはっきりと見える、濃い緋色に変化しすっかり固く立ち上がったそこを、執拗に、しかしあくまでやんわりと愛撫した。葵の口の端から洩れる声にならない吐息に熱が高まってゆく。 遂にのけ反った葵の首筋に歯を立てながら、自分のズボンを下着ごと下げ、葵の服を全て剥ぎ取ると、今にも弾けそうな互いのものが腰やお腹に当たって跳ねた。思わず肌を擦り合わせて腰を動かしかけた日向の滑らかな双丘を葵がぐっと掴んで押しとどめた。 「…だめっ!日向、日向ぁ…」 甘い抑止の言葉はむしろ日向を煽るためのものだ。絡みつく葵の身体をひっくり返してうつ伏せにし、まだ器に残っていたクリームを何度も指で掻き出して葵に塗りつけた。 「葵…好きだ。葵…」 後ろから抱きつきながら、乱れた髪の間にのぞく背の味を確かめてゆく。日向は、ただ快楽の褥へと沈みこんでゆく幻惑に溺れていった。
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