僕らは静かに

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僕らは静かに

 鏡に映る自分にメイク道具で手を加えながら、これからの予定を確認する。もしも「これ」があの人に対する復讐になるのなら、今日は私にとって特別な日となる。  栗色に染めたばかりの髪を梳かす手の動きが、つい急いてしまう。  緊張でお腹が痛くなってきた。それでも、会わないわけにはいかない。問いたださずにはいられない。  あの人の薄情を責めるのが、私の義務なのだ。
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