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バカは同じことを繰り返す
それは、ある男の昼の出来事。
「師匠―!クエストに行けましょうよ―昼過ぎですよ―」
昼過ぎだとゆうのにベッドの上で大口を開け、眠っている男を起こそうとベッドを優しく揺らすエルフの少女――ミ―ルは駄々をこねるように呼び掛ける。
「師匠がそんな起こし方で起きるわけないでしょ。」
寝ている男を呆れた目で見ているエルフの少女――ミ―ナは木の椅子に背中を預け倒れこむように座って言う。
「ん……ごっ――――」
エルフの少女二人に師匠と呼ばれている男―――シュバルツはベッドでいびきを掻き爆睡している。
「師匠を起こすにはこうやればいいのよ。」
ミ―ナは深くかけていた腰を重そうに上げ、シュバルツを指差しルーン語の呪文を唱える。
「≪水の聖霊よ≫ッ」
元素第一位階魔法【ウォーター・ショック】
その刹那、ミーナの指先からハンドボール程度の水の塊が現れ真っ直ぐシュバルツへ飛んでいき―――
「んっ…あぁ―――冷めって―――ッ!痛ぇ―――ッ!うごぉ―――ッ!?」
水の塊がシュバルツの左頬に当たりパァッンと水風船を強く割ったような音が部屋に響き、シュバルツは甲高い声を上げベッドから転げ落ちた。
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