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龍君は、焦る私の熱い頬を両手ですっぽり包み、フッと瞳と唇を和ませる。
「カイロみてぇ。……こんなウブとは想定外。……可愛い」
「……か、からかわない……で……」
恥ずかしくて逃げ出したいのに、今は無理。
必死に我慢するけれど、ついに耐えきれなくなり床にお尻を付き座り込むはめに。
「大丈夫?」
「触らないで! 痺れて……」
私の腕を掴み体を起こそうとする彼に、少し強めに拒否をした。
するとすぐにこの腕を離すが、なぜか私の腰の両脇に手を付き覆い被さり再び至近距離で見つめる彼に、またパニックに陥ってしまう。
「何!? 何!?」
「……ただ今」
「…………お帰りなさい」
いつもの挨拶とはいえ、このタイミングに目をパチクリしてしまう。
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