＊TOKYOプリティ・ウーマン＊

＊始まりの時

この店の名は、Notre maison《ノートル メゾン》。

意味は、フランス語で我が家。

父母が、"大切な御客様に我が家のように寛いでほしい""大切な家族としてお迎えしたい"と願い名付けた。

そんなあったかい想いから、キッチンカウンターのみ新しくして我が家のリビングダイニングをまんまカフェにした小さな店だから、
予約限定で知る人ぞ知る隠れ家的存在だ。

二人の腕前は、シェフ、パティシエ、料理家等食のプロがリピーターになるほどで、予約は半年先まで埋まる人気店である。

また普通の店では御客様をお迎えする時｢いらっしゃいませ｣が当たり前だけど、この店では｢お帰りなさい｣とお迎えし、御客様は｢ただ今｣が御約束。

常連さんになると先に｢ただ今｣を言ってくれる人もいて、意外や意外最初にそう言ってくれたのが龍君だったと思い出す。

決して愛想がいいとはいえず言わされてる感満載だった分、彼から言ってくれたのがとても嬉しかった。

だから彼の言葉は、大正解ではあるけれど……。