離《はな》れ

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離《はな》れ

私は目的のバス停で降りた。 畑や果樹園が広がり、太陽が燦々(さんさん)と降り注ぐ。 夏の雲が地平線の近くで盛り上がる。 メモを頼りに農家の敷居(しきい)をくぐった。 「すみません、今日からお世話になる者ですが…」 私の声がひんやりとした家屋(かおく)に響きわたる。 奥の暗がりから、いかにも農家の(たたず)まいをしたオバさんが私の居る玄関に近づいてきた。 「はいはい、お待ちしていましたよ」
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