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義之はあるものをネットで探した。
哲夫の話を聞いた今となってはどうしても必要なものだ。
「これなんかいいんじゃねえか?」
哲夫が画面を指差す。
「大きさも問題ないな」
義之も満足そうにうなずくと早速取扱店に連絡した。
一通り必要なものを検索してからレンタカーで軽トラを借りて近所の酒屋から台車を借りてきた。
運び込む先はもう決まっている。
哲夫に運転してもらい目的地に着くと購入したものを運びこむ。
これが大仕事だった。
「気持ち悪いところだな…… 東京だろう?ここ」
哲夫が額の汗をぬぐいながら言う。
「ああ。昔、友達と肝試しとかできたことがあるよ」
義之が台車を押しながら答える。
「ここは夜来たらマジででそうだな……」
「早く運びこんじまおう」
「だな」
義之と哲夫がいる場所は都内にあるもと精神病院だった場所だ。
だいぶ前、義之が中学生くらいの頃からはすでに閉鎖されていた。
病院はかなり旧く、戦争前からこの土地にあったらしい。
しかし建物は改装したのかそうした面影はない。
こういう場所には無責任な噂があとからついてくる。
『戦争のときは実験施設だった』
『人体実験をしていた』
『何人も死んでいる』
そのうちに
『幽霊がでる』
という話になった。
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