第十四話 決戦の準備

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「ただいま」 ドアを開けて中に入ると美樹がテレビを観ていた。 「おはよう」 美樹が微笑みながらこっちを向く。 「おお」 義之も笑顔で返す。 「良く眠れたよ」 「そっか……あっ、これお土産な」 義之は手に下げたコンビニ袋からお茶のペットボトルを手渡した。 「サンキュー♪」 美樹の横に座ってテレビに目をやるとニュースをやっていた。 内容は殺された恵のことだった。 井の頭公園での大惨劇、殺人に使われた噂、呪いの検証、泣き崩れる恵の両親。 「ねえ、義之」 「ん?」 美樹は義之の肩に頭をよせると恵の母親のインタビューを観ながら言った。 「あたしは死なない……こんな訳のわからないことなんかで絶対死なない……絶対にどんなことになっても生き延びる」 ペットボトルをにぎる美樹の両手には力が入っていた。 思えば思うほどに強く。 「ああ……必ず守るよ」 義之は美樹の頭に手をおくと力強く抱きしめた。 時計の針は午後6時をまわっていた。 あと8時間で二人に悪夢のような現実が訪れる…… 深夜の2時に備えて2人は横になった。 11時をすぎたころに哲夫と伊藤がやってきた。 「秋葉原でいろいろ買ってきたぞ」 哲夫が笑いながらズシッとしたチョッキを渡してきた。
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