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そのときのサタンの声は今でも焼き付いていて耳を覆いたくなる。
死にたくなかった。
まだまだ生きたいと思った。
必死に助かる道はないかと日記を読むうちに気がついた。サタンが造った呪いならサタンに頼めば絶対に助かると。
サタンは美樹に願いを聞き入れる代わりに生贄を要求してきた。
生贄……
美樹の視線の先には義之がいた……
義之を差し出したことで美樹は助かったのだ。
だが罪の意識は美樹を再起不能まで追い詰めた。
そんなときに、これから会う精神科医に出会った。
彼女はとても美しく年齢も美樹より三、四歳上だった。
とても親しみやすく、誰も信じなかったあの日のことを全て信じてくれた。
そして義之を犠牲にした自分を肯定してくれた。
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