最終話 それから

5/6
前へ
/203ページ
次へ
そのときのサタンの声は今でも焼き付いていて耳を覆いたくなる。 死にたくなかった。 まだまだ生きたいと思った。 必死に助かる道はないかと日記を読むうちに気がついた。サタンが造った呪いならサタンに頼めば絶対に助かると。 サタンは美樹に願いを聞き入れる代わりに生贄を要求してきた。 生贄…… 美樹の視線の先には義之がいた…… 義之を差し出したことで美樹は助かったのだ。 だが罪の意識は美樹を再起不能まで追い詰めた。 そんなときに、これから会う精神科医に出会った。 彼女はとても美しく年齢も美樹より三、四歳上だった。 とても親しみやすく、誰も信じなかったあの日のことを全て信じてくれた。 そして義之を犠牲にした自分を肯定してくれた。
/203ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加