死界

序

生き物が死んだ後、その生き物の魂はどこに行ってしまうのだろう。

この質問を投げられた時、天国に行くか地獄に落とされると答える者がいるだろう。

この答えは正しい……だが完璧ではない解答だ。

輪廻転生、そして六道という単語を知っているだろうか。

輪廻転生とは、死んだ魂が何度も生まれ変わる事を指す。

一方、六道とは、この世を含んだ６つの世界を指している。

天国と呼ばれている、天人が住まう世界、天道。

この世である、人間が住む世界、人間道。

阿修羅の住まう世界、修羅道。

牛馬等の畜生の世界、畜生道。

餓鬼の世界、餓鬼道。

そして六道の中で最下にあたる世界、地獄道。

死んだ魂は、生前の行為に応じて、生前に住んでいた世界を除いた５つから１つの世界へ転生する。

本来、人間道に住んでいる人間達には知り得ない世界。

だが、そんな六道で、前代未聞の出来事が起こった。