大きな桜の樹の下で

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 私に突っ込んで来たのは、私の友人で私に夫を紹介してくれた花梨(かりん)だった。  性格も容姿も私と正反対の彼女だが、縁あって今は私の唯一の友人でもある。  …彼女には、とても世話になった。  彼女の底無しの明るさに、いったい何度救われた事だろう。 「あっ!美優ちゃんやっほー!」 「花梨さんやっほー!」 「ちーっす、花梨さん」 「若造がぁぁぁぁぁぁぁっ!あたしにちーっすなんてナメた口調するなんざ百年早いんだよぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」 「美優ちゃんは良いのかよっ!?」 「美優ちゃんは美樹の娘だから全然おっけーなのっ!」 「理不尽だだだだだだだだ痛い痛い痛い痛い痛いっす痛いっす花梨さんっ!」  …ちなみに花梨は元スケバンで、柚子が学生時代所属していたグループとは過去に一悶着あったらしい。  全く、縁とは不思議な物だ。  ♪  昔、彼に聞いた事がある。 「どうして私と、結婚したのか」って。  疑問に思わない訳が無い。  私は、私がどういう人間か知っている。  不愛想で、  人付き合いが苦手で、  目を見て話すのが苦手で…これは彼と共に生活していく中で緩和されたが。  対して彼は、私とは正反対の人。  とても優しく、  人柄が良く、  人懐こい笑顔がとっても素敵な、そんな人。     
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