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「ごちそうさまでした」
河本さんが手を合わせたのを見て、俺も慌てて手を合わせて「ごちそうさま」と言う。
「おそまつさまでした」
食器を片づけながら挨拶を返してくれた。
「俺が片づけるよ」
「いいですよ。私が作りたかった料理ですから」
一回断られてしまったらしつこく言うつもりもない。
皿洗いが終えるまで、俺はツイッターを見ていた。
河本さんはもう一度、俺の隣に座って言った。
「DVD終わりましたけど、どうするんです?」
「どうするって?」
「電話で聞いた特別な日の内容はここまででしたからね。その後の予定はどうするんですか?」
俺は時計を見る。まだ三時前。ティータイムだけれど、河本さんは苦い紅茶は飲めないはずだ。酒は飲めるのに…………不思議だ。
「河本さんはこの後の予定はあるの?」
「ええ。やっぱり買い物に行こうと思ってます」
「…………そうか」
てっきりこのまま家にいるのかと思った。どうやって河本さんと過ごそうかと考えていたから拍子抜けだ。
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