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このコロニーにおいて、働き先が見つからない、働こうにも身体能力に問題がある、そんな人は必ず強制就労所と呼ばれる場所へ通う事が義務付けられてる。
簡単に言えば職業訓練所みたいな所。
働きに見合えばすぐ出れるし、そこで生活する事も出来る……不自由は多いらしいけど。
そんな事を友達のサッチャン……『サリリィ=ドゥナー=アルリス』が心配そうな顔で冷たい言葉を放ってたっけ。
「アリカはおバカちゃんだからそれでもいいかもね……」
「アタシバカじゃないよ!?」
「だって成績どん底じゃん?」
「アーーーー!!そうだったァーー!?」
どんなにおバカちゃんでも就職先は大体見つかる……その筈だったんだけど。
先生達もお手上げな程におバカなアリカは結局就労所に送られる直前の鬱な感情を表に出して……友達のサッチャンと一緒に頭上のグラスパネルが映す夕日の映像から漏れる光を浴びながら歩き帰宅したんだ。
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サリリィ=ドゥナー=アルリス
親友のサッチャン。おバカな子には厳しい世界だけど彼女だけは私に構ってくれるいい人。
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現実は残酷で、その次の日の朝……家にあるホームスケジューラー画面にでかでかと「翌日からの強制就労所への出勤」を命じる文が出てた時は家族共々驚愕の顔を浮かべてたのが印象的だったなぁ……。
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