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その時、ふとその目に一つの看板が映った。
「オウギ・レクリエーション・ラボラトリ……?」
おバカだからって文字が読めない訳じゃないよ!?
……そう書かれた看板の文字をゆるりと目線を動かしながら読み上げると……ふと、その下に、「社員募集中」と書かれた紙が一枚ぶら下がってた。
「社員……募集中ッ!?」
この時代に紙……でもあまりにも物珍しい旧時代的手法ながらそんな事に全く意を介す事も無く、書かれた文字に目を輝かせ……迷う事無くアリカはその門を叩いた。
「社員になりにきましたーーー!!」
「んなっ、いきなりなんだぁ!?」
通過儀礼とか礼儀とか一切無視して、私……じゃなくてアリカは叩く勢いで扉を開け、乗り込んだ。
多分これが就職出来なかった理由なんだろうけど。
「……あ? 今社員に成りたい、そう言ったんか……?」
アリカの目の前に居た人物……それがここ、略して『OR-Lab.』と呼ばれる会社の社長。
小柄で太目、それでいて大柄な態度……よく言う「博士」みたいな人。
「そのとーり!!」
「おおぉ!?」
そんな人に大柄さでは負けてないアリカは態度で圧倒……というかその時「彼」は嬉しそうな顔を浮かべてたっけ。
なんでかって? ……そりゃもう……。
「そうかぁー!! 社員になってくれるかぁー!! ヨッシャヨッシャア!!」
「ヨッシャヨッシャー!!」
そんな申し出に大喜びで迎える「彼」を見たアリカは一緒に大手を振ってバカ騒ぎ……フフッ、凄く面白かったよ。
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