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精霊機ハデスヘル
一つの太陽と、七つの月が輝く『世界』。
この世界には、はじめ、さまざまな神々と精霊たちに守られた、美しい七つの帝国があった。
ある時、赤き鳥と白き鳥を従えた『大神』が、遠き場所より来訪し、人々に、様々な「技術」を伝えはじめる。
しかし、その大神は、突然、姿を消してしまった。
人々は誰かがその神を隠したと疑心暗鬼に陥る。
加えてその神を探そうと、戦神と破壊神が人々が住まう大地を駆け抜けたため、大混乱とともに、大きな戦いが始まった……というのが、子どもの頃から耳にタコができるほどモルガが聞かされてきた昔話。
「その……大丈夫か?」
「………………」
ルクレツィアの声が聞こえているのか否か──言葉を失い、顔面蒼白のモルガが、がっしりとその黒い機体の、巨大な手の指にしがみつく。
ルクレツィア側からモルガの姿は確認できるが、心臓外のモルガは、無線機しか渡されていない。
とりあえず、モルガは、うなずくだけうなずいた。ほっとした息遣いが、無線機越しにモルガの耳に届く。
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