第1章 嘘と本音

1/1
前へ
/41ページ
次へ

第1章 嘘と本音

あなたは神様を信じていますか? 人はよく神様にお願い事をしていますよね 僕もその一人です 神様に嘘を願う人なんてきっといませんよね? 神には「本音」 他人には「嘘」 あなたは 親しい方の前で そうでない方の前で 本音で生きてますか? ちゃんと自分をぶつけられていますか? 嘘はついていませんか? きっとあなたも そっと胸の奥に本音を隠して生きてるのでないでしょうか そもそも僕は 神様に[嘘]をついて 彼女には[本音]を伝えています 神には「生きたい」と 彼女には「死にたい」と 僕が23の頃 ある事をきっかけで人生に絶望してしまう 僕は現在 何もせずただ彼女と暮らしていた 僕には口癖がある 「この世に未練なんてない」 「僕は人生に失敗したんだ」 「もう、なにもしたくない」 そんな僕は 生きたいと神様にわざわざ嘘をつきに行っている それは数年前 亡くなった母さんが言ってた言葉 「どんなに辛くても悲しくても神様の前では前向きでいなさい。 嘘でもいいの。 前を向いてる姿勢を見せていればきっといい事があるから」 その言葉を今でも守っている でも もう良い事なんて望んではいない 母さんの事は大好きだから自害は申し訳なさが残ってしまって死にづらい たけどやはり死にたいと常に思っている 怖くないと言ったら嘘だ でも生きてる意味がない 生きてる方が余っ程 怖いし辛いし悲しい… 毎日 神には生きたいと伝えてきた それはいつか僕を殺してくれる人が現れる事を信じて強く願ってるからだ だけど この願いには付き添ってくれてる人がいる それは 絶望した頃に出来た 僕の彼女だ 彼女は唯一 僕を殺してくれそうな人 しかし 彼女を殺人犯にはしたくはない 矛盾だ 彼女は唯一「殺してあげる」と言ってくれた女性 凄く嬉しかった 凄く救われた気がした 「楽になれる」そう思った でも 人を殺す事なんてそう簡単な事じゃない 彼女はこうも言ってくれた 「完全犯罪であなたを殺してあげるから 少し時間をください」 その言葉を信じた僕は 彼女と同棲する事になる いつくるか分からない死を楽しみに
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加