第2章 彼女との出会い

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約束を交わした僕は必ず何がなんでも受からないとと意気込み毎日 勉強と面接の練習をした その甲斐があったせいか はたまた願いが通じたのか 見事に二人揃って採用されたのだ 驚きのあまり初めは何も言葉が出ずにただ立っていることしか出来なかったが そんな僕を見た彼女はニコッと 「こんな嬉しい事はないね」と微笑みをかけてくれた 照れ合いながらも二人で喜びあった この上なく幸せだった この時の僕は思った これ以上の幸せな事はあるのだろうか? きっと今が この瞬間が人生でもっとも幸せのピークでは無いのかと この先に悪い事が待っているんでは無いかと そんな事を考えると少し怖くなってしまっていた けれど 今の幸せが大事で先の事なんて誰にも分からない 僕はきっと何もなかったこの生活から抜け出せるんだ この頃は「死」の文字さえも思いつかない程に前向きで明るい未来を期待していた 生きてさえいればこんなにも幸せな事があるのだと ならば今後はどの様な幸せが待ち受けているのだろうかと期待だけが募っていった ------------------------------ 僕が死にたいと感じた日 彼女と付き合う事になった日 彼女が僕に契約を持ちかけた日 それはもう少し先のお話になる
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